Q.いつも拝見させてもらってます。例えば、都市部で築 20 年前後の駅近ワンルームと築 25 年前後の地方の駅近ファミ リーが同じくらいの価格の場合、投資で買うならどちらが いいでしょうか ? 勿論利回りはファミリーの方がいいです が、家賃の下落や空室を考えるとワンルームも良い部分が ありそうですが、いかがですか ? 一概には言えないと思い ますが、アドバイスあればお願いします ^ ^

ご質問ありがとうございます。そしていつもご覧になってくれて嬉しいです。

質問者さんがどなたか私からはわかりませんが、私も貴方のツイを欠かさず拝見させて頂いてます。

都市部築 20 年前後の 1R と地方築 25 年ファミリーが同価格帯のどちらを投資対象にすべきかお悩み中なのですね ?

整理し紐解いていきましょう。

私の想定ですがご質問者様の質問の意図はどちらが安全か ? にあると感じましたが如何でしょう。

まず上記の問いの場合、私の回答はどちらも安全になり得え、また逆も然りになります。

解説の工程をどうするか悩みましたが、今回の回答では認識合わせを最初に行い、その後、投資対象の特徴を私なりに解説させて頂きます。

まず、安全とはどのようなものか、どうとらえたらいいのか。

今回の取得物件に対する貴方の投資目的 ( 成果 ) をどう定めているかによって取得条件、投資戦略が変わる事に言及致します。

それは大枠で表現しますと下記の二つです。

⑴家賃収入というフローを目的に、ストックを積み重ねる一手としている。緩やかに不動産を増やしていく考えであり、比較の為に敢えて言及すると投資パフォーマンスにはあまりこだわらない。

⑵目的が投資効率であり取得物件に対し最大利益、またその期間にもこだわるという場合。

各々、不動産に対する投資姿勢に差はあると考えますが、私は不動産に対しては限りなく予想できる危険性を排除したいと考え、また計画通りの成果を得る事を重視します。

上記、 (1) が目的である場合、不動産の保有期間が (2) に比べ伸びます。しかし、これは (1) の方がリスクが一側面においては高くなるとも捉えられます。

逆にいうとパフォーマンスを追う (2) の視点の取引の方が安全性は高いと言えます。

将来の事を厳密に判定できる人は常識では存在せず、見える範囲の情報からの予測を主として動くしかありません。

我々投資家にとって期間が延びるという事はリスク、この場合のリスクは危険性があがる事と言い換えられます。

誰も正確な相場変動、市価は読み切れないのです。

人口統計データを用い、空き家データ、予測をしてもそれでも値は読み切れません。

少し、補足します、不動産業者が本気でマンションの売買価格を算出するときの比準法 ( 取引事例比較法 ) では、直近の近いマンションの成約事例から、対象の部屋との差異を評点し、市場における在庫数と単価変動率等を用いて数値を算出します。

この場合、かなり正確に成約価格を算出でき、結果をみてもズレる事は殆どありません。

POINT は、将来の売却期における在庫数と単価変動率等の指数です。これは予測可能かどうか、私は実質不可能なのだろう、現状ではそう考えています。

その為、私は現状の賃貸状況や成約価格から築年数毎の価格を指数に使うようにしています。

一方で投資期間は、蓄積金という面においては長期保有 (1) の方が多くなるケースもございますし、ならない取引もある。

何を懸念しているかと言いますと、質問者様の投資履歴を私は存じ上げませんので、初心者によくある、永久保有、ほったらかし投資をイメージされていないかの点です。

当然に取得価格と物件によっては (1) の選択で永久保有 ( と言っても数十年ですが ) でマイナスにはならない取引もございます。

しかし、多くの場合、保有運営だけでは投資資金の回収がし切れない取引になります。

(1) を選択する場合、それでも事業計画に売却時期が定まっているならば、心配する事はないと思います。それぞれのパフォーマンスをみて、選択すべきでしょう。

もし、売却時期が定まっていないならば、少し基本知識に不足があるかもしれません。

まず、保有運営のシミュレーションを下記の Free Tool で行ってみて下さい。シミュレーターは多々ございますが、不動産運営にかかるコストは多くのもので勘定の不足がございます。

是非、下記のもので一度行ってみて下さい。

不動産運営収支シミュレーター

完璧と迄は言いませんが、殆どのコストを網羅してるはずですので、かなりの精度を期待できます。当初指数はファミリー向け ( 中ランク ) の設備の標準的な単価になっていますので、対象物件に合わせ若干の調整をお願いします。

次に、ワンルームとファミリーの強み、弱みの比較

このあたりについては、【アパート投資の公式。「必勝・必負」はたった一つの法則で決まる ☑】で大部分を解説しておりますが、少し補足していきます。

まず、ワンルームマンションの懸念点と注目点を。

懸念①は、現状では割と一般化しているノンバンクによる融資利用。

ここが正直、将来にわたって利用され続けるのかが不安材料になると考えます。通常の金融機関が融資対象にしない為、この乖離をいつまで金融庁はつっつかないか。

注目点は、長期保有を検討していた場合、最終残存の算出はマンションとは言え、土地残存分にならざるを得ない点にあります。つまり、区分とは言え、非常に好立地で持分が多い物件ですと 500 ~ 600 万程度の残存 ( 現状の数値上 ) が見込める物件もございます。 ( 多くのものは残存 100 万もいきませんので注意してください )

建替えをイメージされるかもしれませんが、現状、旧耐震物件に対する建替え実行率は 1% を大きくきっており、これを当てにする事はどう考えてもできない。前出の解説記事でも触れています。

ワンルームの最大の危険性は、価格の底抜けと言えますので、解説記事でもふれた、坪単価や上記残存価格を確認する事で数値が見えてくると思います。

次に地方ファミリーの懸念及び注目点

懸念は、今更触れる必要もあまり感じませんが、募集や運営、そして長期になればなるほどに売買における価格下落リスクが高いだろう事はどなたでも感じられる点だと思います。

注目点は、地方であってもその不動産は実需販売ができる点と築年数から考えてそれほど大きな価格下落は考えにくい点にあります。

そして共通の注意点をひとつ。

築 20 年、 25 年というと内部設備の劣化を回復せずに売られている物件が多数です。取得直後に大きな費用が発生するケースは多いので、設備の状況には注意を払って下さいね。

ここまで解説してきましたが、いかがでしょうか。

POINT は対象物件の数値がどちらが鮮明に見えるかなのです。

また、長期間保有はその数値の変動が大きくなります。その為、投資対象を取得する場合には、保有運営期間を定め、そして売却期、その価格も算出した上で照らし合わせが必要であると私は考えています。

利回りはリスクです。投資対象の利回り = リスクを数値化して比較検討する事が大切です。

その方法については、「不動産の利回り完全解説。「意味と効果」を読み取り活用し尽くす方法 ☑」にて我々投資家が算出できる概算方法ですが、キャップレート算出、そして収益価格の算出まで解説しています。

それぞれの対象物件を数値化して、どちらの投資がよいのかを比較検討し、より好ましい物件を取得してください。

解説が足りない場合や、わからない事がございましたら、また利用下さいね。

ご質問ありがとうございました。

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